
オフショア開発の費用相場は?開発会社が教える現状のコスト感
オフショア開発の費用相場を調べているものの、人月単価の表を見ても結局いくらかかるのか分からない、円安で本当に国内より安いのか確信が持てない、自社の案件規模だと得なのか判断できない――こうした疑問を抱える方は多いのではないでしょうか。
本記事では国別・職種別の単価相場から、見積もりに出ない隠れコスト、契約形態ごとの費用、案件規模ごとの損益分岐点までを整理しました。
オフショア開発の費用相場は?国別・職種別の人月単価
まず押さえたいのは、国ごとに人月単価が大きく違い、その差が近年変動している点です。代表的な委託先4カ国のプログラマー単価を整理しました。
| 委託先 | プログラマー人月単価 | 前年比の傾向 |
|---|---|---|
| ベトナム | 約40万円 | 横ばい(微増) |
| 中国 | 約58万円 | 急騰(前年比+31%) |
| インド | 約37万円 | 急落後に再浮上 |
| フィリピン | 約37万円 | ほぼ横ばい |
| (参考)国内 | 40〜100万円 | ― |
同じベトナムでもSEは約40万円で、国内のSE相場80〜200万円と比べると差は大きいです。中国は前年比+31%で急騰し、価格面ではもう「安いオフショア先」から外れつつあります。
「オフショア=半額」は本当か|円安時代の実質コスト
かつて言われた「オフショアなら半額」は、現在の円安では成立しません。単価だけ見れば約5割安くても、隠れコストを含めた実質のコスト削減は20〜30%にとどまります。
見積もりに出ない費用の内訳|隠れコストと保守費
提示される見積書には載らないものの、実際には発生する費用があります。「開発費に+20〜40%」とざっくり示されがちなこの部分を、費目ごとに分けて整理しました。金額はいずれも目安です。
| 費目 | 追加コストの目安 |
|---|---|
| ブリッジSEの固定費 | 月50〜80万円 |
| コミュニケーションによる工数増 | 約+15% |
| テスト工数 | 約+7% |
| 手戻り・仕様変更 | 約+10% |
| 渡航費(キックオフ等) | 30〜60万円 |
契約形態で費用はどう変わる|請負・ラボ型・準委任
オフショア開発の費用は、契約形態によって予算が推測しやすいかが変わります。
| 契約形態 | 費用の仕組み | 向き・注意点 |
|---|---|---|
| 請負 | 成果物ごとに総額が確定 | 予算が読める。仕様変更には弱い |
| ラボ型 | 一定期間チームを確保し月額固定 | 中長期向き。仕事が薄い月も費用が発生 |
| 準委任 | 実働工数で精算 | 柔軟。総額は読みにくい |
案件規模で損益分岐点は変わる?何人月から得なのか
オフショアが得になるかは、案件規模と為替で決まります。現在の円安(160円)では、おおむね12〜15人月を下回るとメリットが薄くなります。
| 為替(1ドル) | オフショアが得になる規模の目安 |
|---|---|
| 145円まで戻る | 8〜10人月から |
| 160円(現在) | 12〜15人月から |
| 175円まで進む | 20人月以上でないと旨みが薄い |
10人月未満の小規模なら、国内発注の方が安く済むこともあります。小さく作りたい場合は、無理にオフショアを選ぶ必要はありません。
また、社内で作るか外注するかで迷っている方は、生成AI開発は内製vs外注どっちで判断材料を解説していますのでぜひお読みください。
費用で失敗しない発注前チェックリスト
費用の失敗は、値段そのものより「要件定義が固まらないことによる納期遅延・手戻り」で起きます。発注前に次の6点を固めておきましょう。
- must要件(絶対に満たしたいこと)を決める
- 誰が使うのか(利用者)を明確にする
- 実際の利用フローを把握する
- 要件定義を発注前に固める(曖昧なまま進むと納期遅延・手戻りで費用が膨らむ)
- 機能を厳選する(盛り込みすぎない)
- 実績の「中身」で会社を選ぶ
また、発注先の選び方は、AI開発会社の比較方法で詳しく解説していますのでぜひお読みください。
まとめ|オフショア開発の費用相場と発注判断
最後のこの記事の内容をまとめます。
まずは自社案件の想定規模(人月)を概算し、損益分岐点を超えるかどうかから確認することをおすすめします。費用感の相談先に迷う場合は、ベトナムオフショアの実務をふまえた無料相談も活用できます。
本記事は2026年7月時点の情報です。単価や為替の最新値は、オフショア開発白書などの一次情報で確認してください。
AppTime株式会社 代表取締役:システム開発・DX支援
HOJOJO株式会社 取締役CTO:技術戦略・プロダクト開発
関西学院大学大学院(MBA課程)にて、経営管理の高度な知見を統合。
〜主な経歴〜
2017年に個人事業主として独立。エンジニアとして数多くのシステム開発を
手掛けた後、2018年にAppTime株式会社を設立し、代表取締役に就任。
現在は自社の経営のみならず、HOJOJO株式会社の取締役CTO(最高技術責任者)も兼任。技術の「便利さ」だけでなく、LLM・機械学習をはじめとする先端技術を活かし、企業のコストカットや「利益創出」に直結させるという、実益重視のコンサルティングを展開している。
単なるIT導入に留まらない、経営層・役員の意思決定に資する「経営×IT」の架け橋として、次世代のDXリテラシー向上を支援している。



コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?