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ソフトバンク独自AI「Cloud Proxy」とは?自社でも実現できるのか

投稿日 最終更新日 読了約9分 閲覧数55

ソフトバンクが独自AI「Cloud Proxy」を内製したというニュースをご存知でしょうか。

これを見て、独自のChatGPTのようなものを作ったのか、そもそもどんなツールなのか、自社でも同じ仕組みを作れるのか、こうした疑問を抱いた方は多いのではないでしょうか。

本記事では、その正体と内製した理由、仕組み、そして自社で同じ統制を実現する選択肢を整理しました。

ソフトバンク独自AI「Cloud Proxy」とは何か

ソフトバンクの独自AI「Cloud Proxy」は、独自の生成AIモデルではなく、社員と複数のLLMの間に立つAIゲートウェイ(AIプロキシ)です。認証・利用ログ・課金・情報管理をまとめて担う、社員とAIの共通のプラットフォームにあたります。

Cloud Proxyは社内基盤で、一般販売や料金プランはありません。

Cloud Proxyを内製した理由|ソフトバンク社内で起きていた課題

なぜ既存のAIをそのまま使わず、自前の基盤を作ったのかの背景には、生成AIを使い始めた組織なら規模を問わず起きる課題がありました。

これらは大企業に限らず、AIを使い始めた中小企業でも起こります。Cloud Proxyは、この4つをまとめて解く仕組みとして開発が始まりました(開発開始は2023年)。

Cloud Proxyの仕組み|Internal Keyの役割

仕組みの核は「Internal Key」という鍵の配り方にあります。

開発者は外部APIキーを持たない(Internal Key方式)

Cloud Proxyは、利用者やシステムごとに「Internal Key」を配ります。社員が受け取るのは、このInternal Keyだけです。

  • 社員・システムにはInternal Keyだけを配布する
  • リクエスト時にCloud Proxyが本物の外部APIキーへ変換する
  • Azure OpenAIやGeminiの外部APIキーは社員に渡らない

鍵が漏れても、該当するInternal Keyを止めれば済みます。外部APIキーそのものを差し替える必要がありません。

利用の可視化とコスト・情報漏えいの管理

Internal Keyは、誰が何をどれだけ使ったかを追跡する土台にもなります。

先ほど挙げたコスト不可視・情報漏えいの課題は、この一元管理によって解消されます。

「1人100エージェント」を支えた全社AI基盤

Cloud Proxyの規模を示す象徴が「1人100エージェント」の取り組みです。ソフトバンク公式ニュースによると、全社員が1人100個のAIエージェント(GPTs)を作り、約2.5ヶ月で250万個超が生まれました。

項目規模
作成エージェント数250万個超
期間約2.5ヶ月(2025年6月〜8月末)
対象全社員 約2万人
基盤ChatGPT Enterprise+Cloud Proxy

人材育成も進み、G検定合格2000名超、AI・クラウドに挑戦した社員1000名超という成果につながっています。

自社で同じ仕組みを作るには|内製・既製・外注

同じ統制を自社で得る方法は3つあります。

選択肢向く規模初期コスト・立ち上げの速さ
内製数千〜数万人規模高コスト・時間がかかる
既製ゲートウェイ中小〜中堅低コスト・すぐ始められる
外注AI人材が社内にいない企業中コスト・設計から任せられる

自社で内製するのが合理的なパターン

ソフトバンクが内製したのは、2万人・240システムという規模だからです。この規模なら、専任チームを置くコストが見合います。

多くの企業はここまでの規模ではないため、次の2つが現実的な選択になります。

既製のAIゲートウェイを使う(LiteLLM/Azure等)

中小〜中堅なら、既製のAIゲートウェイで同等の統制を低コストで用意できます。

  • LiteLLM(OSS):複数のLLMを1つのAPIに束ね、キー管理とログを一元化する
  • Azure API Management:AIゲートウェイ機能で認証・課金・レート制限を統制する

自前開発なしに、APIキーの一元管理と利用の可視化を始められます。

開発会社に外注する

社内にAI人材がいない場合は、設計から外注する選択もあります。開発を受託してきた立場から見ると、外注先選びには実務的な確認点があります。

また、生成AIを内製すべきか外注すべきかの判断や開発会社の選び方は、生成AI開発は内製すべきか外注すべきかAI開発会社の選び方で詳しく解説していますのでぜひお読みください。

Cloud Proxyに関するよくある質問

Cloud Proxyや「1人100エージェント」について、検索で多い疑問を整理しました。

よくある質問

Q.Cloud Proxyは無料で使えますか?外部から買えますか?
A.

いいえ。ソフトバンクが社内向けに内製したAI基盤で、一般販売や料金プランはありません。商用製品として外部提供されているものではありません。

Q.どのLLMを束ねているのですか?
A.

Azure OpenAI Service、Google Gemini、国産LLMのSarashina(提供元は子会社のSB Intuitions)などです。1つのモデルに固定せず、複数モデルを1つの窓口に集約しています。

Q.「1人100エージェント」では何が作られたのですか?
A.

全社員が自分の業務に合わせたAIエージェント(GPTs)を作り、約2.5ヶ月で250万個超が生まれました。定型業務の自動化などに使われています。

Q.中小企業が同じ統制を実現するには?
A.

自前開発せず、LiteLLM(OSS)やAzure API ManagementのAIゲートウェイ機能などの既製ツールで、APIキーの一元管理と利用の可視化を低コストで始められます。

まとめ|Cloud Proxyから学べること

最後にこの記事の内容をまとめます。

まずは自社でAPIキーやAI利用がどれだけ分散しているかを棚卸しし、規模に合わせて内製・既製・外注を検討することをおすすめします。

本記事は2026年7月時点の公開情報に基づきます。最新の情報はソフトバンクの公式発表をご確認ください。

監修者
黒田 真次郎
監修者プロフィール
黒田 真次郎

AppTime株式会社 代表取締役:システム開発・DX支援
HOJOJO株式会社 取締役CTO:技術戦略・プロダクト開発

関西学院大学大学院(MBA課程)にて、経営管理の高度な知見を統合。

〜主な経歴〜
2017年に個人事業主として独立。エンジニアとして数多くのシステム開発を
手掛けた後、2018年にAppTime株式会社を設立し、代表取締役に就任。
現在は自社の経営のみならず、HOJOJO株式会社の取締役CTO(最高技術責任者)も兼任。技術の「便利さ」だけでなく、LLM・機械学習をはじめとする先端技術を活かし、企業のコストカットや「利益創出」に直結させるという、実益重視のコンサルティングを展開している。

単なるIT導入に留まらない、経営層・役員の意思決定に資する「経営×IT」の架け橋として、次世代のDXリテラシー向上を支援している。

爆速開発部編集部 A爆速開発部メンバー

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