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Gemini 3.8 Flashは無料で使える?経路別に整理

投稿日 最終更新 読了約15分 閲覧数484

2026年9月2日(現地時間)、GoogleがGemini 3.8 Flashを公開しました。7月21日の3.6 Flash、8月13日の3.7 Flashに続き、6週間でFlash系は3世代目に入りました。

本記事では料金・無料枠・性能・商用利用の条件を、公式の一次情報と第三者の実測データで整理しました。

Gemini 3.8 Flashとは|Cyberとの違い

Gemini 3.8 Flashを、世代・モデル仕様・派生版の3点で整理します。

3.6・3.7との世代の違い

Gemini 3.8 Flashは、2026年9月2日(現地時間)に一般提供が始まったFlashティアの最上位モデルです。

モデル位置づけ無料プランでの扱い(執筆時点)
Gemini 3 FlashGemini 3世代の初代Flash。Gemini CLIへの搭載で話題になった別物
Gemini 3.6 Flash2026年7月21日の正式版使える
Gemini 3.7 Flash2026年8月13日の正式版。3.8の直前世代使えない
Gemini 3.8 Flash2026年9月2日公開。Flashティアの最上位使えない
Gemini 3.8 Flash Cyberセキュリティ特化の派生版配布されない
Gemini 3.1 ProProティア。Flashとは別系統制限付きで使える

入力100万トークン・出力はテキストのみ

モデルIDは gemini-3.8-flash で、プレビュー版ではなく正式版として提供されています。扱えるデータの種類と量は、公式のモデルカードとAPIドキュメントに記載があります。

  • 入力トークン上限は1,048,576(約100万トークン)、出力トークン上限は65,536
  • 入力はテキスト・画像・動画・音声・PDFに対応
  • 出力はテキストのみで、画像生成・音声生成には非対応。Live APIの対応モデル一覧にも入っていない
  • ナレッジカットオフは大半の領域が2026年3月、一部の領域は2025年1月まで

Geminiで画像や音声を作る機能は別系統のモデルが担っていて、3.8 Flash単体では生成できません。

Gemini 3.8 Flash Cyberとは

同時発表のGemini 3.8 Flash Cyberは、セキュリティ業務に特化した派生版です。Fairwind Program経由で政府機関・重要インフラ事業者・ソフトウェア保守者にのみ配布され、一般ユーザーが手に入れる経路はありません。Googleの発表では、社内で使った結果として次の数字が示されています。

  • Chrome Securityの検証では、はるかに規模の大きい商用モデルより正しいパッチを2.6倍多く生成
  • Google Cloudの脆弱性研究チームは、通常なら数か月かかる重大な脆弱性を2時間未満で発見

いずれもGoogle社内の検証で、第三者が同じ条件で追試した数字ではありません。

Gemini 3.8 Flashは無料で使える?3つの経路

無料で使えるかどうかは、どの経路で触るかによって答えが変わります。

Geminiアプリの無料プランでは使えない

Geminiアプリで3.8 Flashを使えるのは、Google AI ProとGoogle AI Ultraの加入者です。公式ブログの表記も “available to Google AI Pro and Ultra subscribers” で、無料プランは対象に入っていません。

Google AI Studioなら無料で使える

無料で3.8 Flashを触れる正規ルートはGoogle AI Studioです。Gemini APIの料金ページでは、無料枠の入力・出力・コンテキストキャッシュがいずれも “Free of charge” と記載されています。

  • 利用条件は18歳以上であること
  • EEA・スイス・英国のユーザー向けにAPIクライアントを提供する場合は、無料枠ではなく有料枠を使う必要がある

Gemini API無料枠の2つの制約

Gemini APIの無料枠からも3.8 Flashを呼び出せます。ただし有料枠と大きく違う点が2つあります。

規約には “Do not submit sensitive, confidential, or personal information to the Unpaid Services” とも書かれています。機密情報や顧客データを扱う処理には向きません。

また、Geminiアプリ側の利用回数や上限の考え方については、Geminiの制限・上限が回数制から使用量制へで解説していますのでぜひお読みください。

3.7 Flashとの違いは?性能ベンチマーク比較

3.7 Flashとの差を、公式の比較・推論設定・第三者の数字・乗り換え判断の順に見ます。

ベンチマークで何がどれだけ伸びたか

公式ページに掲載されている比較では、エージェント系のベンチマークで3.7 Flashを上回っています。

ベンチマークGemini 3.8 FlashGemini 3.7 Flash
Vals Finance Agent v261.4%59.0%
Harvey’s Legal Agent Benchmark10.0%8.8%
HLE-Verified54.9%掲載なし
HLE-Verifiedは3.7 Flashの数値が公式ページにないため、世代間の直接比較はできません。

Claude Opus 5・GPT-5.6との位置関係

同じ公式比較には、上位ティアの他社モデルとの差も載っています。比較対象は他社モデルで、同じGoogleのGemini 3.1 Proは含まれていません。

ベンチマークGemini 3.8 FlashClaude Opus 5GPT-5.6 Sol
Vals Finance Agent v261.4%58.6%53.8%
Harvey’s Legal Agent Benchmark10.0%6.7%
HLE-Verified54.9%54.4%54.5%
Flashティアの価格でOpus 5に並ぶ数字が出た点が、3.8 Flashの立ち位置を表しています。ただし、いずれもGoogleが選定したベンチマークでの比較です。

thinking levelで速度と賢さが変わる

3.8 Flashは、推論にかける思考量を thinking_level で3段階に指定します。どの段階を選ぶかで、回答の質・応答時間・料金が同時に変わります。

  • low:応答の速さを優先する処理向け。1タスクが終わるまで約48秒
  • medium:既定値。複雑なコードやエージェント用途はこの設定が推奨されている
  • high:深い推論が必要な処理向け。1タスクが終わるまで約2.5分
  • 完了時間はArtificial Analysisの計測値で、highとlowでは3倍以上の開きがある

highで測られた数字を、lowで運用する前提のまま当てはめることはできません。

ベンチの数字は出典で食い違う

公式ページに載っていない数字は、参照元によって値が変わります。

  • DeepSWE v1.1:3.8 Flash 73.7%/3.7 Flash 65.3%(+8.4ポイント)
  • Terminal-Bench 2.1:89.4%(Googleの公開比較による)。一部の英語ソースは90.8%と食い違う
  • Gray Swan IPI(プロンプトインジェクションの攻撃成功率・低いほど良い):3.8 Flash 5.5%/3.7 Flash 9.2%
  • Artificial Analysis Intelligence Index:3.8 Flash 59/3.7 Flash 56

Artificial Analysisの59は推論設定をhighにしたときの値で、mediumでは57まで下がります。

3.7 Flashから乗り換えるべきか

乗り換えを急ぐ必要はありません。Gemini APIのドキュメントには “Gemini 3.7 Flash remains fully supported” と明記され、終了日の告知も出ていません

また、比較対象になっているGPT-5.6については、ChatGPT-5.6は無料で使える?GPT-5.5からの変更点を整理であわせてご覧ください。

Gemini 3.8 Flashの料金と2027年の値上げ

料金はAPIとGeminiアプリで体系が別です。使う経路に応じて見る場所が変わります。

API料金は2027年1月1日に2倍

Gemini 3.8 FlashのAPI料金は、100万トークンあたり入力$0.75・出力$3.75です。この価格は2026年12月31日までの期間限定で、翌日から倍額になります。

項目(100万トークンあたり)〜2026年12月31日2027年1月1日〜
入力$0.75$1.50
出力$3.75$7.50
コンテキストキャッシュ$0.075$0.15
3.7 Flashも同じ単価・同じ改定幅です。旧世代を使い続けても2027年の値上げは避けられません。

Geminiアプリのプラン料金

Geminiアプリを使う場合は、APIの$表記ではなく月額のサブスクリプション料金が関係します。

プラン月額(税込・日本)3.8 Flashの利用
無料¥0不可
Google AI Plus¥725公式に記載なし
Google AI Pro¥2,900
Google AI Ultra¥14,500〜
Ultraは構成によって月額¥32,000まで上がります。3.8 Flashを触るだけならProで足ります。

値上げ前|2026年内にやっておくこと

値上げは、2027年1月1日以降の利用分から適用されます。切り替わる前に確認しておきたい項目を挙げます。

単価据え置きでもコストが増える理由

APIで使う場合、トークン単価が3.7 Flashと同額でも、同じ仕事をさせたときの支払額は増えます。長時間動く複雑なタスクでは、設計上、より多くのトークンを使うと公式ドキュメントに書かれています。

> Gemini 3.8 Flash can use more tokens on longer running and complex tasks, by design

単価表だけを見て「据え置きだから費用は変わらない」と判断すると、実際の請求額とずれます。thinking level をmedium・lowに下げれば1タスクあたりのコストは抑えられます。

商用利用の可否と禁止されている使い方

商用利用そのものは可能です。ただし枠と用途によって条件が変わります。

有料枠と無料枠で何が違うか

Gemini API追加利用規約は、生成物の所有権をGoogleが主張しないと定めています。同じ内容が他のユーザーにも生成されることがある、とも明記されています。

> Google won’t claim ownership over that content. You acknowledge that Google may generate the same or similar content for others

項目無料枠有料枠
入力・出力の製品改善への利用使われる使われない
人によるレビューあり(アカウント情報と切り離して実施)製品改善目的では行われない
ログの保持ポリシー違反の検知目的で一定期間
顧客情報や社外秘を含む処理は、有料枠を使う前提で組む必要があります。

明確に禁止されていること

生成AI追加利用規約禁止用途ポリシーには、名指しの禁止事項があります。

  • AI生成物を人間だけが作ったものと偽って提示すること
  • 健康・金融・行政・法律などの領域で、専門性や能力を偽ること
  • 明示のないまま実在の人物や故人になりすますこと

臨床現場での利用や医療アドバイスの提供も、Gemini API追加利用規約で禁止されています。

まとめ|Gemini 3.8 Flashは急がなくていい

Gemini 3.8 Flashは6週間で3つ目のFlashです。全部を追いかけなくても困らないことは、公式ドキュメントの記述から分かります。

長時間動くエージェントやコーディング支援を組んでいる方は、3.8 Flashに切り替えたうえで実際の請求額を1週間分だけ計測してみることをおすすめします。バッチ処理や短い応答が中心の用途なら、3.7 Flashのままで問題ありません。

Geminiの各プランの違いは、Gemini料金プラン一覧にまとめています。

本記事は2026年9月時点の情報です。提供状況と料金の変更はGoogleの公式発表で確認してください。

監修者
黒田 真次郎
監修者プロフィール
黒田 真次郎

AppTime株式会社 代表取締役:システム開発・DX支援|2018年〜現在
HOJOJO株式会社 取締役CTO:技術戦略・プロダクト開発|2024年〜2025年

関西学院大学大学院(MBA課程)にて、経営管理の高度な知見を統合。

〜主な経歴〜
2017年に個人事業主として独立。エンジニアとして数多くのシステム開発を
手掛けた後、2018年にAppTime株式会社を設立し、代表取締役に就任。
現在は自社の経営のみならず、2024年〜2025年にはHOJOJO株式会社の取締役CTO(最高技術責任者)も兼任。技術の「便利さ」だけでなく、LLM・機械学習をはじめとする先端技術を活かし、企業のコストカットや「利益創出」に直結させるという、実益重視のコンサルティングを展開している。

単なるIT導入に留まらない、経営層・役員の意思決定に資する「経営×IT」の架け橋として、次世代のDXリテラシー向上を支援している。

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