Jevの使い方・始め方|登録からPlayground・API・SDKまで

Jevとは何かを押さえたら、次は実際に動かす番です。JevはAPIを1本叩くだけで使えます。SDKも公式から出ており、コーディングエージェント用のスキルまで用意されています。
本記事では公式ドキュメントをもとに、リクエストとレスポンスの実物、3つの質問タイプの書き分け、料金と上限、そして公式が自ら認めている苦手分野までまとめました。
4つの入り口
用途に応じて4通りの始め方があります。
| 入り口 | 向いている場面 |
|---|---|
| Playground | まず挙動を見たい。console.typesafe.ai/playground |
| HTTP API | 言語を問わず組み込みたい |
| SDK | Python / JavaScript のアプリに入れたい |
| エージェントスキル | Claude Codeなどに設計から任せたい |
console.typesafe.ai/keys から取得します。APIの最小構成
リクエストは次の形です。
POST https://api.typesafe.ai/v1/systemone
Authorization: Bearer 取得したAPIキー
Content-Type: application/json
curl -X POST https://api.typesafe.ai/v1/systemone
-H "Authorization: Bearer $TYPESAFE_API_KEY"
-H "Content-Type: application/json"
-d '{
"state": "Stripe連携が3日間失敗し続けています。売上が落ちているので至急対応をお願いします。",
"model": "jev-latest",
"questions": {
"urgency": {
"type": "noul",
"instructions": "この問い合わせは緊急性を訴えているか"
}
}
}'
構造は2つだけです。state が判断材料、questions が聞きたいこと。model には jev-latest(現在は jev-1.13.0 を指す)を渡します。
3つの質問タイプを1回で投げる
Choice・Score・Noulは混ぜて同じリクエストに入れられます。しかも各質問は独立・並列に評価されるため、3回呼ぶより速くて安く済みます。
{
"state": "Stripe連携が3日間失敗し続けています。売上が落ちているので至急対応をお願いします。",
"model": "jev-latest",
"questions": {
"department": {
"type": "choice",
"instructions": "どのチームが対応すべきか",
"criteria": {
"billing": "支払い・サブスクリプションの問題",
"technical": "不具合や連携の問題",
"sales": "料金やアカウントに関する質問"
}
},
"frustration": {
"type": "score",
"instructions": "顧客の苛立ちの度合い",
"criteria": [
"冷静に事実を述べている",
"苛立っているが礼儀は保っている",
"強い言葉で激しく怒っている"
]
},
"is_urgent": {
"type": "noul",
"instructions": "緊急性・時間的制約を訴えている"
}
}
}
返ってくるのはこれです。
{
"model": "jev-1.13.0",
"answers": {
"department": {
"type": "choice",
"choice": "technical",
"confidence": 0.78,
"probabilities": { "technical": 0.85, "billing": 0.15, "sales": 0.0 }
},
"frustration": {
"type": "score",
"score": 1.0,
"confidence": 1.0,
"probabilities": { "0": 0.0, "1": 1.0, "2": 0.0 }
},
"is_urgent": { "type": "noul", "noul": 1.0 }
},
"usage": { "input_tokens": 392, "output_tokens": 65 }
}
choice や score をそのまま if に渡せます。パースは不要です。
使い分けの目安
公式は、候補が入力を網羅しきれない可能性があるときは other や none of the above を選択肢に足しておくことを推奨しています。
Python SDKで書く
pip install typesafe-sdk(Python 3.10以上)。クライアントは環境変数 TYPESAFE_API_KEY を自動で読みます。
from typesafe_sdk import Choice, Noul, Score, TypeSafeClient
client = TypeSafeClient()
response = client.system_one(
state=ticket,
questions={
"department": Choice(
instructions="どのチームが対応すべきか",
criteria={
"billing": "支払い・サブスクリプションの問題",
"technical": "不具合や連携の問題",
"sales": "料金やアカウントに関する質問",
},
),
"is_urgent": Noul(instructions="緊急性・時間的制約を訴えている"),
},
)
print(response.answers["department"].choice) # "technical"
print(response.answers["is_urgent"].noul) # 1.0
JavaScript版は @typesafe-ai/sdk です。どちらのSDKもリトライとバックオフを標準で持っており、429 を受けたときの再送を自前で書く必要がありません。
confidence をどう使うか
Jevの返り値には confidence が付きます。これは「答えが何か」ではなく「自動処理してよいか」を決めるための値です。
公式が挙げている使い方は、しきい値で処理を分ける confidence-gated routing です。
確率(probabilities)と確信度(confidence)は別物です。確率は選択肢の中での相対的な配分、確信度はその分布がどれだけ尖っているかを示します。
料金とリクエストの上限
公式が公開している jev-1.13.0 の数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入力料金 | $42 / 10億トークン(=$0.042 / 100万トークン) |
| 出力料金 | 無料 |
| レート制限 | 毎秒25万トークン/毎分1,200リクエスト |
| コンテキスト長 | 1リクエスト64kトークン(state + 最長の質問で32kまで) |
| 入力形式 | テキストのみ。画像・音声・動画は非対応 |
課金は入力トークンのみです。同じ state に質問をまとめて詰めるほど単価効率が上がる設計になっており、公式のクックブックでは13個の質問を1リクエストにまとめて 12.2倍安く、10.0倍速く なった例が示されています。
公式が認めている9つの苦手分野
ここが実装前にいちばん読む価値のある部分です。TypeSafeは jev-1.13 の「jaggedness(ぎざぎざした部分)」として失敗モードを公開しています。
| 苦手なこと | 対処 |
|---|---|
| 字面どおりに読む | 意図ではなく条件そのものを書く |
| 計算・数え上げ | コード側で計算する |
| 日付の前後比較 | 要素を抽出させ、比較はコードで |
| 多段の間接参照 | 質問を分けて直接聞く |
| 無関係な情報が多い state | 事前に絞り込んでから渡す |
| 敵対的な入力 | state は無害と仮定されている。基準を明示し事前検証する |
| 指示と基準の矛盾 | 両者の表現を揃える |
| 構造的な整合性 | NoulとChoiceの値を比較しない |
| 文章生成 | 生成モデルを使う |
もう一つの落とし穴が context rot です。関係ない情報を state に詰めるほど精度が落ちます。RAGの検索結果をそのまま全部渡す、といった使い方は避けたほうが無難です。
日本語で使うときの注意
公式の Models ページには明確な記載があります。英語が主要な学習言語であり、精度がもっとも高いのも英語。日本語を含むCJKは「扱えるが同等ではない」とされています。
Claude Codeに設計ごと任せる
TypeSafeは公式のエージェントスキルを配布しています。3つの質問タイプ、設計パターン、ベストプラクティスをエージェントに読み込ませるものです。
claude plugin marketplace add typesafe-ai/skills
claude plugin install typesafe@typesafe-ai
Claude Code以外のエージェントは npx skills add typesafe-ai/skills --skill typesafe-ai で導入できます。公式が挙げている最初のプロンプトはこれです。
> プロジェクトを調べて、複雑なパースや壊れやすいコードを知的な判断で置き換えられる箇所を探して(TypeSafeスキルを使って)
つまり「どこに使えるか」を探すところから任せられるわけです。Claude Codeの基本についてはClaude Codeの使い方と料金で整理しています。
よくある質問
❓よくある質問
Q.無料で試せますか?
アーリーアクセスの登録時に5ドル分のクレジットが付与されると報じられています(ITmedia、2026年9月20日)。入力$0.042/100万トークンなので、検証用途なら十分な量です。
Q.1リクエストに質問をいくつ入れられますか?
明確な個数上限は示されていません。制約はコンテキスト長(1リクエスト64kトークン)です。公式のクックブックでは218行を1リクエストで採点した例があります。
Q.LLMを全部置き換えられますか?
できません。文章生成はJevの対象外です。生成モデルが候補を出し、Jevが評価し、コードが実行するという役割分担が公式の想定です。
Q.レスポンスが429で返ってきます。
レート制限超過です。公式SDKを使えば指数バックオフで自動リトライされます。HTTP APIを直接叩いている場合は自前でバックオフを実装してください。
Q.モデルのバージョンは固定できますか?
できます。jev-latest はエイリアスで、更新されると中身が変わります。確信度のしきい値を調整済みなら jev-1.13.0 のようにバージョンを固定してください。
Q.送ったデータは学習に使われますか?
公式は「顧客のリクエストとレスポンスで学習していない」としています。企業向けにはゼロデータ保持(ZDR)の提供も記載されています。
APIで仕組みを組む前に、既存の業務をAIで自動化できる法人向けのサービスを試す方法もあります。
まとめ
Jevの導入で効くのは、LLMに「判断だけ」をさせている処理を見つけて置き換えることです。まずはプロンプトの出力をJSONパースしている箇所を洗い出すところから始めると、置き換え候補が見つかりやすくなります。
本記事は2026年9月21日時点のTypeSafe AI公式ドキュメントの記載にもとづきます。仕様・料金は変更される場合があります。
AppTime株式会社 代表取締役:システム開発・DX支援|2018年〜現在
HOJOJO株式会社 取締役CTO:技術戦略・プロダクト開発|2024年〜2025年
関西学院大学大学院(MBA課程)にて、経営管理の高度な知見を統合。
〜主な経歴〜
2017年に個人事業主として独立。エンジニアとして数多くのシステム開発を
手掛けた後、2018年にAppTime株式会社を設立し、代表取締役に就任。
現在は自社の経営のみならず、2024年〜2025年にはHOJOJO株式会社の取締役CTO(最高技術責任者)も兼任。技術の「便利さ」だけでなく、LLM・機械学習をはじめとする先端技術を活かし、企業のコストカットや「利益創出」に直結させるという、実益重視のコンサルティングを展開している。
単なるIT導入に留まらない、経営層・役員の意思決定に資する「経営×IT」の架け橋として、次世代のDXリテラシー向上を支援している。
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