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AI開発

Jevの使い方・始め方|登録からPlayground・API・SDKまで

投稿日 最終更新 読了約12分 閲覧数197
Jevのリクエストと、選択・点数・確率の3種類で返る型つきレスポンス

Jevとは何かを押さえたら、次は実際に動かす番です。JevはAPIを1本叩くだけで使えます。SDKも公式から出ており、コーディングエージェント用のスキルまで用意されています。

本記事では公式ドキュメントをもとに、リクエストとレスポンスの実物、3つの質問タイプの書き分け、料金と上限、そして公式が自ら認めている苦手分野までまとめました。

4つの入り口

用途に応じて4通りの始め方があります。

入り口向いている場面
Playgroundまず挙動を見たい。console.typesafe.ai/playground
HTTP API言語を問わず組み込みたい
SDKPython / JavaScript のアプリに入れたい
エージェントスキルClaude Codeなどに設計から任せたい
APIキーは console.typesafe.ai/keys から取得します。

APIの最小構成

リクエストは次の形です。

POST https://api.typesafe.ai/v1/systemone
Authorization: Bearer 取得したAPIキー
Content-Type: application/json
curl -X POST https://api.typesafe.ai/v1/systemone 
  -H "Authorization: Bearer $TYPESAFE_API_KEY" 
  -H "Content-Type: application/json" 
  -d '{
    "state": "Stripe連携が3日間失敗し続けています。売上が落ちているので至急対応をお願いします。",
    "model": "jev-latest",
    "questions": {
      "urgency": {
        "type": "noul",
        "instructions": "この問い合わせは緊急性を訴えているか"
      }
    }
  }'

構造は2つだけです。state が判断材料、questions が聞きたいこと。model には jev-latest(現在は jev-1.13.0 を指す)を渡します。

3つの質問タイプを1回で投げる

Choice・Score・Noulは混ぜて同じリクエストに入れられます。しかも各質問は独立・並列に評価されるため、3回呼ぶより速くて安く済みます。

{
  "state": "Stripe連携が3日間失敗し続けています。売上が落ちているので至急対応をお願いします。",
  "model": "jev-latest",
  "questions": {
    "department": {
      "type": "choice",
      "instructions": "どのチームが対応すべきか",
      "criteria": {
        "billing": "支払い・サブスクリプションの問題",
        "technical": "不具合や連携の問題",
        "sales": "料金やアカウントに関する質問"
      }
    },
    "frustration": {
      "type": "score",
      "instructions": "顧客の苛立ちの度合い",
      "criteria": [
        "冷静に事実を述べている",
        "苛立っているが礼儀は保っている",
        "強い言葉で激しく怒っている"
      ]
    },
    "is_urgent": {
      "type": "noul",
      "instructions": "緊急性・時間的制約を訴えている"
    }
  }
}

返ってくるのはこれです。

{
  "model": "jev-1.13.0",
  "answers": {
    "department": {
      "type": "choice",
      "choice": "technical",
      "confidence": 0.78,
      "probabilities": { "technical": 0.85, "billing": 0.15, "sales": 0.0 }
    },
    "frustration": {
      "type": "score",
      "score": 1.0,
      "confidence": 1.0,
      "probabilities": { "0": 0.0, "1": 1.0, "2": 0.0 }
    },
    "is_urgent": { "type": "noul", "noul": 1.0 }
  },
  "usage": { "input_tokens": 392, "output_tokens": 65 }
}

choice や score をそのまま if に渡せます。パースは不要です。

使い分けの目安

公式は、候補が入力を網羅しきれない可能性があるときは other や none of the above を選択肢に足しておくことを推奨しています。

Python SDKで書く

pip install typesafe-sdk(Python 3.10以上)。クライアントは環境変数 TYPESAFE_API_KEY を自動で読みます。

from typesafe_sdk import Choice, Noul, Score, TypeSafeClient

client = TypeSafeClient()

response = client.system_one(
state=ticket,
questions={
"department": Choice(
instructions="どのチームが対応すべきか",
criteria={
"billing": "支払い・サブスクリプションの問題",
"technical": "不具合や連携の問題",
"sales": "料金やアカウントに関する質問",
},
),
"is_urgent": Noul(instructions="緊急性・時間的制約を訴えている"),
},
)

print(response.answers["department"].choice) # "technical"
print(response.answers["is_urgent"].noul) # 1.0

JavaScript版は @typesafe-ai/sdk です。どちらのSDKもリトライとバックオフを標準で持っており、429 を受けたときの再送を自前で書く必要がありません。

confidence をどう使うか

Jevの返り値には confidence が付きます。これは「答えが何か」ではなく「自動処理してよいか」を決めるための値です。

公式が挙げている使い方は、しきい値で処理を分ける confidence-gated routing です。

確率(probabilities)と確信度(confidence)は別物です。確率は選択肢の中での相対的な配分、確信度はその分布がどれだけ尖っているかを示します。

料金とリクエストの上限

公式が公開している jev-1.13.0 の数値です。

項目内容
入力料金$42 / 10億トークン(=$0.042 / 100万トークン)
出力料金無料
レート制限毎秒25万トークン/毎分1,200リクエスト
コンテキスト長1リクエスト64kトークン(state + 最長の質問で32kまで)
入力形式テキストのみ。画像・音声・動画は非対応

課金は入力トークンのみです。同じ state に質問をまとめて詰めるほど単価効率が上がる設計になっており、公式のクックブックでは13個の質問を1リクエストにまとめて 12.2倍安く、10.0倍速く なった例が示されています。

公式が認めている9つの苦手分野

ここが実装前にいちばん読む価値のある部分です。TypeSafeは jev-1.13 の「jaggedness(ぎざぎざした部分)」として失敗モードを公開しています。

苦手なこと対処
字面どおりに読む意図ではなく条件そのものを書く
計算・数え上げコード側で計算する
日付の前後比較要素を抽出させ、比較はコードで
多段の間接参照質問を分けて直接聞く
無関係な情報が多い state事前に絞り込んでから渡す
敵対的な入力state は無害と仮定されている。基準を明示し事前検証する
指示と基準の矛盾両者の表現を揃える
構造的な整合性NoulとChoiceの値を比較しない
文章生成生成モデルを使う
とくに重要なのが数値と日付です。公式は「Jevは電卓ではない」「日付を順序のある量ではなくテキストとして読む」と明言しています。数え上げも、対象が増えるほど誤差が大きくなります。

もう一つの落とし穴が context rot です。関係ない情報を state に詰めるほど精度が落ちます。RAGの検索結果をそのまま全部渡す、といった使い方は避けたほうが無難です。

日本語で使うときの注意

公式の Models ページには明確な記載があります。英語が主要な学習言語であり、精度がもっとも高いのも英語。日本語を含むCJKは「扱えるが同等ではない」とされています。

Claude Codeに設計ごと任せる

TypeSafeは公式のエージェントスキルを配布しています。3つの質問タイプ、設計パターン、ベストプラクティスをエージェントに読み込ませるものです。

claude plugin marketplace add typesafe-ai/skills
claude plugin install typesafe@typesafe-ai

Claude Code以外のエージェントは npx skills add typesafe-ai/skills --skill typesafe-ai で導入できます。公式が挙げている最初のプロンプトはこれです。

> プロジェクトを調べて、複雑なパースや壊れやすいコードを知的な判断で置き換えられる箇所を探して(TypeSafeスキルを使って)

つまり「どこに使えるか」を探すところから任せられるわけです。Claude Codeの基本についてはClaude Codeの使い方と料金で整理しています。

よくある質問

❓よくある質問

Q.無料で試せますか?
A.

アーリーアクセスの登録時に5ドル分のクレジットが付与されると報じられています(ITmedia、2026年9月20日)。入力$0.042/100万トークンなので、検証用途なら十分な量です。

Q.1リクエストに質問をいくつ入れられますか?
A.

明確な個数上限は示されていません。制約はコンテキスト長(1リクエスト64kトークン)です。公式のクックブックでは218行を1リクエストで採点した例があります。

Q.LLMを全部置き換えられますか?
A.

できません。文章生成はJevの対象外です。生成モデルが候補を出し、Jevが評価し、コードが実行するという役割分担が公式の想定です。

Q.レスポンスが429で返ってきます。
A.

レート制限超過です。公式SDKを使えば指数バックオフで自動リトライされます。HTTP APIを直接叩いている場合は自前でバックオフを実装してください。

Q.モデルのバージョンは固定できますか?
A.

できます。jev-latest はエイリアスで、更新されると中身が変わります。確信度のしきい値を調整済みなら jev-1.13.0 のようにバージョンを固定してください。

Q.送ったデータは学習に使われますか?
A.

公式は「顧客のリクエストとレスポンスで学習していない」としています。企業向けにはゼロデータ保持(ZDR)の提供も記載されています。

APIで仕組みを組む前に、既存の業務をAIで自動化できる法人向けのサービスを試す方法もあります。

まとめ

Jevの導入で効くのは、LLMに「判断だけ」をさせている処理を見つけて置き換えることです。まずはプロンプトの出力をJSONパースしている箇所を洗い出すところから始めると、置き換え候補が見つかりやすくなります。

本記事は2026年9月21日時点のTypeSafe AI公式ドキュメントの記載にもとづきます。仕様・料金は変更される場合があります。

監修者
黒田 真次郎
監修者プロフィール
黒田 真次郎

AppTime株式会社 代表取締役:システム開発・DX支援|2018年〜現在
HOJOJO株式会社 取締役CTO:技術戦略・プロダクト開発|2024年〜2025年

関西学院大学大学院(MBA課程)にて、経営管理の高度な知見を統合。

〜主な経歴〜
2017年に個人事業主として独立。エンジニアとして数多くのシステム開発を
手掛けた後、2018年にAppTime株式会社を設立し、代表取締役に就任。
現在は自社の経営のみならず、2024年〜2025年にはHOJOJO株式会社の取締役CTO(最高技術責任者)も兼任。技術の「便利さ」だけでなく、LLM・機械学習をはじめとする先端技術を活かし、企業のコストカットや「利益創出」に直結させるという、実益重視のコンサルティングを展開している。

単なるIT導入に留まらない、経営層・役員の意思決定に資する「経営×IT」の架け橋として、次世代のDXリテラシー向上を支援している。

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