本文へスキップ
爆速開発部
SES効率化

SES案件管理表に必要な列と3つの手段|脱Excel

投稿日 最終更新 読了約11分 閲覧数23

SESの案件管理をExcelとメールで回してきたけれど、案件が受信箱に埋もれる、同じ案件が別のBPから届く、誰にどの案件を提案したか分からない、待機に気づくのが遅れる――こうした状態に心当たりのある方は多いのではないでしょうか。

本記事では、SES固有の管理項目・Excelが壊れる規模・重複提案の防ぎ方を整理しました。SES向けの営業支援ツールを開発する中で見えた論点を含みます。

SESの案件管理とは?要員管理・契約管理との違い

SESの案件管理は、BPから届いた引き合いを台帳に載せ、要員を提案し、契約に着地させるまでを扱う業務です。この流れは「引き合い→案件→提案→契約」の4段階に分けて持ちます。引き合いと案件を別物として扱うと、情報がどこで落ちたかを段階で特定できます。

段階状態管理の主目的
引き合いBPからメール等で届いた生の案件情報取りこぼさない・重複を弾く
案件台帳に登録し、条件を列に構造化したもの検索・突き合わせできる状態にする
提案特定の要員を出した記録誰にいつ何を出したかの履歴を残す
契約成約後の稼働・請求・更新契約更新漏れ・請求漏れを防ぐ

4段階のどこが抜けているかで、必要な打ち手は変わります。

また、案件管理を担う営業職そのものの仕事内容については、SES営業の業務内容で解説していますのでぜひお読みください。

SES案件管理が散らかる原因はメールと台帳の断絶

SESの案件はメールで届きます。台帳に載るのは、誰かが本文から条件を拾って手で転記したときだけです。転記の手間を放置すると、台帳は次の順番で機能しなくなります。

  1. BPから案件メールが届く
  2. 台帳に載せるには、件名と本文から勤務地・単価・商流・スキル要件を拾い直す必要がある
  3. 手間に見合わないので、営業は自分の受信箱とフォルダで案件を完結させる
  4. 台帳には成約寸前の案件しか登録されなくなる
  5. 台帳を見ても今動いている引き合いが分からず、誰も見に行かなくなる

取り込み経路を持たない台帳は、入力ルールを厳しくしても埋まりません。項目設計より先に、案件がどの経路で台帳に入るかを決めます。

SES案件管理表に持たせるSES固有の管理項目

汎用SFAの項目だけでは、SESの案件は絞り込めません。案件側と提案側に分けて、必要な列を並べます。

案件そのものに持たせる項目

案件名・顧客名・フェーズ・確度・見込金額という汎用SFAの列では、提案できる要員を1人も絞り込めません。SESでは、案件の受け入れ条件そのものを列にします。

値の例用途
商流段数・エンド名エンド直/プライム/二次請け、非開示粗利の上限が決まる・名寄せのキーに使う
勤務地・出社頻度東京23区、週2出社、フルリモート要員の受諾可否に直結する
単価レンジ60〜70万円提案可能な要員を機械的に絞れる
精算幅(上下)140〜180h、上下割り実質単価が変わる
受け入れ条件国籍要件、年齢上限、面談回数提案前に弾くための条件
受信日時・回答期限8/20受信、8/22 12時締め案件の鮮度を判定する
残枠・クローズ理由2名→0名、充足、募集停止充足済みの案件を台帳から消す
国籍要件や商流の深さは、案件メールの本文に明示されないまま流通することが少なくありません。業界の共通前提として省略されるため、受け取った側が確認して列に落とすしかない項目です。

提案と要員に紐づける項目

案件側の列だけでは、誰にいつ何を出したかが残りません。提案を案件と要員の両方に紐づく記録として持つと、案件管理と要員管理がつながります。

  • 提案日・提案した要員・提案ルート(どのBP経由で出したか)
  • 提案ステータス(提案中/面談待ち/見送り/成約)と見送り理由
  • 提示単価と着地単価(差額がそのまま粗利)
  • 同一要員の並行提案の有無
  • 要員の稼働終了予定日と、次の提案を打ち始める日

稼働終了予定日を提案履歴と同じ画面に置くと、空きが出る前に次の提案を始められます。

SES案件管理でExcelが限界になる規模と金額

脱エクセルの判断は、感覚ではなく規模と金額で決められます。壊れる順番と待機の実損を分けて見ます。

何名・何案件で壊れるか

Excel・スプレッドシートが使えなくなるのは、ファイルの性能の問題ではありません。営業が増えて情報が割れた瞬間から、一元管理が成立しなくなります。

規模・状態起きやすいこと
要員10名前後・営業1名Excelとメールで足りる。案件は個人の受信箱でも追える
要員30名前後情報がブラックボックス化し、売上は伸びるのに利益が残らない
案件の入り口が複数になる同じ案件が複数の営業に届き、重複提案が起きる
要員100名超必要な工数が大幅に増え、Excelによる管理が難しくなる
30名前後の停滞は事務SOLが2026年、100名超の限界はfdcが2023年に挙げた数字で、どちらも1社の見解です。営業の人数と案件の入り口の数を重ねて判断することをおすすめします。

待機と提案遅れがいくらの損になるか

待機で消えるのは売上だけではありません。エージェントグロー代表が2022年に公開した例では、待機時の月給が0円から35万円まで4通りに分かれます。待機中も給与を払う会社では、稼働していない要員の人件費がそのまま残ります。

単価60万円クラスの要員が1ヶ月待機すると、消える売上は月1万〜5万円のツール費用の10倍を超えます。

また、単価と粗利の水準そのものについては、SESのマージン率の平均で解説していますのでぜひお読みください。

SES案件の重複提案を防ぐ名寄せと突き合わせ

異なるBPから同じ案件が届くのは、SES営業では珍しくありません。要員が見つからない案件は別のSES企業へ回るため、1つの案件が複数社に滞留します。同一案件をまとめる名寄せは、次のキーの組み合わせで判定します。

  • エンド名または元請け名(非開示なら発注元の業種で代用する)
  • 勤務地の最寄り駅と出社頻度
  • 参画開始月と募集人数
  • 必須スキルの上位2つ
  • 単価レンジと精算幅

重複を弾く仕組みがないと、同じエンドに同じ要員が二重に出ます。条件の悪いルートで先に提案すれば、取れるはずの粗利を自分で削ります。

SES案件管理システムに移す判断と3つの手段

ツールに移すかは運用ルールを決めてから判断します。決める3点と手段別の分岐条件を並べます。

ツールを入れる前に決める運用ルール

ツールを入れても、案件を台帳に入れる人が決まっていなければ元に戻ります。項目より先に、次の3点を決めます。

この3点は製品の比較を始める前に決め、営業全員に共有します。

スプレッドシート・汎用SFA・SES専用の分岐

移すかどうかは、案件の入り口が複数あるかで決まります。BPが1社に固定されているなら、スプレッドシートの共有と権限設定で足ります。入り口が増えるほど、重複の突き合わせが人力では回らなくなります。

手段向く条件費用感
スプレッドシート要員30名まで・営業2名まで・案件の入り口が固定実質0円
汎用SFA・CRM・kintone商談管理と兼用したい・自社で項目を作り込める担当がいる1ユーザー月1,000〜1,800円台(kintoneは最低10ユーザー)
SES専用システム複数BPから案件が届く・重複と待機が実損になっている月1万〜5万円程度。初期費用は不要な製品と2万円程度かかる製品がある

無料で試す場合は、1ユーザー限定の無料契約や1ヶ月の無料トライアルを持つ製品があります。メールからの自動取り込みやAIマッチングを備えた製品では、精度とデータの扱いを個別に確認します。

また、製品ごとの機能と料金の違いはSES管理ツールの製品比較で整理しています。AIでのマッチングを検討している方は、AIマッチングツールの選び方と料金相場もあわせてご覧ください。

Qasicaは、AppTimeが開発しているSES営業支援SaaSです。無料のデモ・資料請求はこちらから。


Qasica|SES案件管理の無料デモ・資料請求

まとめ|SES案件管理は列と取り込み経路で決まる

SESの案件管理が散らかる原因は、ツールの有無ではなく台帳の列と取り込み経路の設計にあります。汎用SFAの項目をそのまま使う限り、Excelでもシステムでも同じ場所で詰まります。

まず、今使っている案件管理表に商流段数・回答期限・提案履歴の3列があるかを確認することをおすすめします。3列がそろっていてなお案件が受信箱に残るなら、ツールの検討に進む段階です。

本記事は2026年8月時点の情報です。料金や機能は各サービスの公式サイトで確認してください。

監修者
黒田 真次郎
監修者プロフィール
黒田 真次郎

AppTime株式会社 代表取締役:システム開発・DX支援|2018年〜現在
HOJOJO株式会社 取締役CTO:技術戦略・プロダクト開発|2024年〜2025年

関西学院大学大学院(MBA課程)にて、経営管理の高度な知見を統合。

〜主な経歴〜
2017年に個人事業主として独立。エンジニアとして数多くのシステム開発を
手掛けた後、2018年にAppTime株式会社を設立し、代表取締役に就任。
現在は自社の経営のみならず、2024年〜2025年にはHOJOJO株式会社の取締役CTO(最高技術責任者)も兼任。技術の「便利さ」だけでなく、LLM・機械学習をはじめとする先端技術を活かし、企業のコストカットや「利益創出」に直結させるという、実益重視のコンサルティングを展開している。

単なるIT導入に留まらない、経営層・役員の意思決定に資する「経営×IT」の架け橋として、次世代のDXリテラシー向上を支援している。

この記事は役に立ちましたか?

コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを残す

送信されたコメントは編集者の承認後に表示されます。メールアドレスは公開されません。 は必須項目です。

公開されません